…おまえは必ず戻れ。
[煙幕の中。
軽口の聞こえる方向へと、届かぬ命を小さく呟く。
斥候は危険任務なのに隊長が先頭に立ち、
よくよく無茶をするからだろう。
元同期のダーフィトはそういう時、
指揮命令系統ガン無視で、よくフォローを飛ばしてくれた>>168。
厄介そうな顔をしながらも、彼はいつも此方を気遣ってくれている。
斥候部隊に副部隊長はいない。
けれど実質、彼がソマリの副官だった。
ソマリが戦場で、自ら目立つ格好をして的を集めているのも。
そうやって味方への攻撃を軽減させることが出来ているのも。
――――背を預かる相手が、確かに傍に居るからだ]