― 回想 ―[夫を亡くした当時のレジーナは、泣き叫ぶでもなく、悲しみに暮れるでもなく、ただ息をしているだけ、といった風だった。][葬儀を終えて数年の間は、夫の遺した宿を守るのだと己を奮い立たせていたが、それも長くは持たない。][6年前――娘のように可愛がっていた少女が村へ戻って来たと知り>>268、レジーナの目に再びかすかな光が灯った。][けれど、2年ぶりに見たカタリナは、レジーナの花嫁衣装を見て無邪気に笑っていた姿が嘘のように、変わり果てた姿となっていた。]