随分と煩雑な香りがしますが、どちらから着たかお伺いをしても?
[ひょい、と彼の上に落とす長躯の影。>>338
問うは単純明快に、この区画を最短で突破する道筋。
彼の不調に構わず、低音を響かせ、
無意識に区画を突破しているとも知らず声を続ける。]
とりあえずの方角は分かったのですが、何分、魔界とは縁遠いので。
[主語の足りない世間話めいて道を聞く。
銀の髪と銀の瞳、黒衣で埋め尽くされた立ち姿。
己の足元に揺らめく闇の手は幻覚では無いが、
彼にしてみれば霧掛かる思考が見せる幻にも見えるだろうか。]