―“前庭”海域中央/第三艦隊 水雷艇―[炎爆ぜた其の一瞬>>228を、水雷艇の乗員は見逃さなかった。] 『―――― 突撃!』[舳先に取り付けられた長い棒の切っ先が、敵巡洋艦の喫水線の辺り目掛けて突き出された。ほんのささやかな距離を挟んで、対岸の艦の水面下で重い爆音が膨らむ。大きく海が揺らいだ。甲板に居た兵は、とっさに縁を掴んで投げ出されるのを耐える。] 『やっ、…―― 』[た。という歓声と、味方水雷による二つ目の轟音が重なった。]