[ 人のものでは有り得ない鋭さの牙が
口の中でガチガチと音を鳴らすのを堪えて。
最後の理性をもってして、何とか。
通路に倒れ込みそうになるのを耐えて、 ]
[ メイン・サロンへ向かう途中であるらしい
その人影――アデル>>332へ声をかける。
自分だけでなく、
彼もまたふらふらしているように見えるのは
ロー・シェンの気のせいだっただろうか。 ]
…………やあ。アデル、だったっけ?
ちょうどいい、少し話があるんだけど、いいかな?
[ 通路には都合よく誰もいない。
僅かに残った冷静さで素早く確かめれば
相手の反応を待つように、にっこりと微笑んだ。* ]