[ だが恐らくとしてそんな気もないのだろう。 どれ程突き放し拒み愛想の無い言葉を重ねど、 翼に纏わりつく穢れは重さを増すばかり>>305 意志を持つ指のように翼の付け根に触れられれば 悪寒にも似た痺れがぞくりと駆け上がる。 翼を固定される苦しさとは裏腹に 慰めるような愛撫に理解出来ない、 言葉に表しようのない何か≠記憶する。 本来必要とせず、 その為に作られた訳でない躰が少しずつ、 男の手により変化を遂げている事実を 天使は拒んだ。 ]