[今日はたまたま、師匠と弟弟子が先に手合わせしただけだ。
だから、そう。今度は――…]
(おまえも、これからさ。…来るだろ?)
[次の試合は――場を、戦場から、違う場所へと変えるようだ。
と、ディークへの伝令>>279を盗み聞きしつつ思う。
形無くとも想いは進む。
人が本当に死ぬのは、誰からも思い出されなくなった時だ]
(全てをシュヴァルベに。
おまえの想いを、これから架けてゆくんだからよ)
[ディークの胸から落とされて>>278、
引っくり返った体勢で横たわれば、青空がよく見えた。
血に塗れた右手を、しかと――…空へ、伸ばす。誘うように]