―清水寺―
滝って、ここの滝が?
水が真っ赤な滝――…って、リアルに想像するとかなり気持ち悪いな。
[そもそも七不思議なのに、七つどころじゃないってどういうことだ、と思いながらも。
境内の至る所に宿る不思議な話に耳を傾けた。
聖前がはしゃいで舞台から身を乗り出した時は、共に落ちるのではないかと肝を冷やして。
舞台を降りる頃には、すっかり痛みを感じなくなるほど足は慣れていた。]
えー…、わかったよ。
[あっちを向けと言われて不満に小さく口を尖らせるが。
彼が照れてるのだと理解すれば、すぐに笑みに変えてあちらを見る。
[聖前がどのお水を選んだのか気になって、少しだけズルして振り返るが。
一口含んでる様子からは、結局どれを選んだのかわからなかった。]