約束もないし。使命も、義務もない。 帝国への恩義はあるが公国への恨みはない。 ……俺の中には、あんまりものが入ってない。 ある女に義務のようなものを感じてた事もあったけど。 それも、そいつを殺して消えた。呪いみたいなものは残ってるが。 士官学校で得たものと、その後少しの生活と。 軍に戻って得たもの。 それが俺の全てで。 ――……それも今、崩れはじめている。