[ 施しと誘惑の違いを知らず。 神への愛≠妄信的に求め眩んだ蒼眼は 清廉なまでに静かな色を湛えていたのに 今は溶けて膜を張っていた。 口づけにふやけた唇から覗く赤い舌が痺れている。 触れられている場所から暴かれているような心地に 本能的な忌避を覚え、背を支える紳士的な 手にすらも忌まわしきものだと判別した。 素直であるからに言葉遊びや綾を知らない。 恐れれば放してくれるのかと言葉>>301に 探りを入れる瞳は無垢に彼を覗き込んでいた。 ]