[問いには、ふるりと首を振る]いいえ。私がお会いしたのは副史のシメオン殿と、内容の足らぬ親書だけ。マチュザレム共和国の方々が、どのような思惑があって私共の国へ来たかを知るには少なすぎる材料と言えましょう。ですから、分かりませんよ。貴方は、猶予が無い――と決め付けたように仰いますが。私にはその判断が出来かねます。