―→宿屋―[それから、暫く。宿の裏口の戸へと手を掛ければ、中へするりと身体を滑り込ませる。森の中から戻るのにそう時間はかかっていない。――…だから、血濡れた服や身体はべたべたと湿り気を帯びていて、酷く不快だった。] ――…着替え、持ってこなくちゃ。なあ…。[どこか外とは違う、温かい空気へと触れれば自然と欠伸も出ようというもの。男は未だ何処か蕩けた頭で、自室へと戻るべく、階段へ足をかけたのだった。少し後に行われた"工作">>336なんて知らぬまま。]**