人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


舞踊家 ソマリ

[肩から頬へ掌を這わせ、こみ上げてくる愉悦に喉を鳴らす。
もう取り戻せないのだ、毒を仕込む計画も、弟分との新しい生活も。


こいつら金持ちのせいで、人を人と思わない俗物のせいで!]

  ―――  嗚、 ねえ。踊りましょ 

[耳元に唇を寄せる。
甘い吐息ぞっとする程冷たい声音で、死刑宣告のように。

そのまま唇を合わせ、舌を伸ばす。
フェリクスの腔内に入り込む柔らかい舌。

伸ばした自分の舌根を――硬い前歯で噛み切った。]

(337) 2013/10/03(Thu) 00:52:19

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