[肩から頬へ掌を這わせ、こみ上げてくる愉悦に喉を鳴らす。もう取り戻せないのだ、毒を仕込む計画も、弟分との新しい生活も。こいつら金持ちのせいで、人を人と思わない俗物のせいで!] ――― 嗚、 ねえ。踊りましょ ?[耳元に唇を寄せる。甘い吐息ぞっとする程冷たい声音で、死刑宣告のように。そのまま唇を合わせ、舌を伸ばす。フェリクスの腔内に入り込む柔らかい舌。伸ばした自分の舌根を――硬い前歯で噛み切った。]