[アレクシスは溜め息を葡萄酒とともに飲み込みつつも。
懐から包み紙を取り出す。一見するとそれは丁度キャンディーのようなそれ。金箔を施された、やたらと豪華なキャンディーを、政治家のふくよかな手に渡す。]
また、北の国民は信仰心は高いのは言うまでもありませんが。
南の国民はやはりその恩恵を感じにくいというのもあります。
彼等に威光を示すというのも偶には必要です。
………ところでおひとつキャンディーでもいかがですか?
この葡萄酒とよく合うんですよ。
[政治家はその包み紙を確かめるように握ると、厭らしい笑みを湛え、頷いた。それで良い。貴様たちは、2:8:2の『要らぬ方の』2だ。そのまま甘い蜜を啜って、王府の上っ面を整えておくだけで良いのだ。]