― 学校跡地・救護室的な場所 ―
……グゥゥゥッ。
[ギリという音と低い唸り声が同時に響く。
酒が掛かればまた酷く沁みるので、息を詰めてやり過ごす。
圧迫止血された傷は、拍動性の痛みを伝えてくるが、それも少しずつ収まっては来る]
あ…あ、大丈夫。
この程度で、と、笑われる、でしょう?
不意打ちで、幾つもの命、を奪ってきた人間が、そんな。
[完全に大丈夫でないのは、言葉がまだ切れ切れで、口調が揺れてることでも明らかか。普通に話せるようになるまでも、暫しの時間を要して、ゆっくりと目を上げ、冷や汗を拭う]