[そのまま、少しずつ雪を落としながら進む。足音を立てぬよう慎重に歩きながら、自らの歩幅よりも広い間隔で雪を落とす。落とした雪は床を濡らし、あるいは絨毯に染み込み、階段を一段ずつ雫で彩る。そうして雪で作った濡れた跡が、勝手口から三階までぽつぽつと続いていた――。**]