[翌日。首都ブラバンドでは二つの動きがあった。
ひとつは、“重篤な病にて面会謝絶”となっているマチュザレム共和国大使カナン・リリが養生している宿>>4:340で起こった。
巫女姫シルキーからの公式な信書が届けられたのだ。
『先日の御提案いただいた件、折り良い返事をお返ししたく存じます。
御足労をお掛けしますが、どうか、ドルマール神殿までお越しください。
…もしかすると、貴方がこれを読む頃には近づき難くなっているかもしれませんが。
お得意の空の道はあいております
シルキー・カノエ・ナミュール――』
いつ、彼が見るかは知らない。
けれど巫女姫からすれば、空の風来坊と連絡を取る手段は、此処しか無かった]