― 進軍中・修道院方面部隊 ―
[薄闇がだんだんと晴れ、草原の草に宿る雫が煌めきだす。
うっすらとした夜霧が空気に溶け消える頃、草の間を赤い影が近づくのを同胞が見咎めた。>>324
ほどなく、先行隊の様子が口づてに報告される。
この時盟主はカークに染め粉を借りて、少し髪色を明るくしていた。
暁日の光浴びて、淡い色の髪もまた縁どられたように光宿している。]
よくやってくれた。
逃げられても構うことはない。
少しくらい、気づかれてもいい。
[先行隊の働きをねぎらえば、サシャから眼差しが飛んでくる。]