― 学校跡地付近、公国側橋前 ―[>>293 発砲音にはっと意識が妙に覚めた感覚があった。押していた力がふっと軽くなる。目前で肩が放たれた弾丸にカレルの体のバランスが背中側へと押された。鼻先が天を仰ぎ、金色の髪が風になぶられて靡く。馬の鐙から左足を抜き、馬の背に足をのせた。足場にされた馬が四足を折る。その場に沈み出来る高低差を背に立つ事で埋めて、曲刀が目前にあった、カレルの胴体に潜りこむ。ご。っと殴ったような音がして、身体の中央、半ばほどまでに刃が食い込む。]