そんなものを向けて、どうするつもりっすか?
降ろしてくださいっす。
[穏便には、いかないだろうな。心の中でため息。
これまでの自分であれば、逃げ出していたはず。それでも今はそうはいかない事情があったから。
大元を断つために、この船に乗り込んだのだから。]
もし自分がガルーなら、銃弾を避けられたのは偶然じゃねえっすよ。ここで何をするか分からねえっすよ。
それでも撃てるってなら、やってみろっす。
[震えの入った声で言ったって、説得力は全く無い。
だが、知っているだろうか。
肉食獣を操るには、常に術者が主だと思わせる事が必要だということを。
獣は強者を獲物としてみることはないが、己より弱者であると判別すれば獲物とみることを。]