―早朝―[その後の少年は、ただひたすらに襲われた立場を演じていた。だが、深夜にまた森へと向かう姿を見れば、しばし考え込む。いまだ空に朝の色も差さぬ時間。他の者が起き出すより早く、静かに部屋を出た。向かうは、勝手口。表に出ることはなく、僅かに扉を開けて、僅かばかりの雪を手に掴む。]