[川の南側はさらなる乱戦の様相を呈していた。そこへ、浮き橋を渡った兵が順次、繰り出してゆく。拿捕した舟に馬を乗せて運んだ工作兵が、カークに手綱をとらせた。指揮官らしく騎乗せよと。盟主の姿は二つあっても、命令が二つあってはならない。以降のカークは、周辺を守る兵100ほどに「ついて来い」とだけ命じ、他隊の指揮はディークに従うものとする。] ──我らが生きる道は前にあり。 勇猛なれ! [馬上に背を伸ばし、差し出されたラモーラルの軍旗を掴むとガツと地を穿った。*]