[はっきりと感じる、緩やかに蠢く指の形>>328
甘い記憶に耽る感覚が、身の内に深く、細やかに張り巡らされる闇に引き裂かれる]
ん、ぁ、ああっ――…… ルー、ト…
[焦がれ続ける彼に、満たされていく瞬間。
銀糸に指を絡め、加減もできずに彼を手繰り寄せる。
埋める距離さえ失くしているのに、伴侶の形にもっと寄り添いたいと、止まぬ渇望に焦がれ]
……私、は。貴方に触れられると、いつも。
息が出来なくなって、身体が何処かに行ってしまうみたいな…
何時でも私は貴方のものだけど、もっと、――…ずっと、
自分のものではなくなるの。