[ 数瞬、過ぎた昔の思い出を
嚥下するように一度息を飲んで、微笑んだ。 ]
…思い出してくれたみたいで何よりだ。
正直まだ君がこの船に乗ってるとは思っていなかったよ
それに…また、こんな災難に巻き込まれるなんてね
ツイてないのは今度ばかりは僕だけじゃないみたいだけど。
[ あの時、
誰か…あの当時の警備担当のマーティン。
彼に会いに行く途中だと聞いた気がする彼女を呼び止めた
その時のように、にっこりと言葉を返すけれど、
同じ目線で話をしていた当時とは違って、
今は自然と見下ろす形になるから時間とは面白いものだ。 ]
そんなに悲しそうな顔をしないでくれよ
自分で自分の運の悪さには呆れ返ってるんだからさ。
[ 眉尻を下げるカサンドラに肩を竦めてみせて、
もし申し訳ないと思っているなら気にしなくてもと告げる。
船員の立場では責任を感じることもあるのだろうと
慮っての言葉だったけれど、彼女はどう受け取っただろう。* ]