[似ている、と最初に言い出したのが誰かは知らない。だが、確かに似ていると同調する者はそれなりにいた。血を引いているだの、実は隠し子だの、荒唐無稽な噂話がこちらにまで聞こえてくる。そもそも、相手は生まれながらの吸血鬼だ。かつて人として生を受けた自分と血の繋がりがあるわけなど無い。噂話に興じる連中に反論したことはないが、自分の中ではそうやって斬り捨てていた。]