[部屋を包み込む音、そこに籠る想い。
それをはきと感じつつ、そっと、手を触れるのは新たな命宿る場所。
そうして、歌を最後まで聴いて、その響きを自身の内に刻み込んで。
伝えられた言葉>>323に、僅か、瞳が揺れた]
「……伝えてくれて、ありがとう。
でも……」
[一体いつ、この歌と、言葉を託されたのか。
ふと浮かんだ疑問に返されたのは、不思議なまどろみの物語。
俄かには信じ難いけれど、疑う事はしなかった。
兄は常に前を向いて。
自分が死す瞬間の事は考えていないひとで。
だから、生きている内に歌や言葉を託すとは到底思えなくて。
だから、本当に、そんな不思議な場所で出会えたのだろう、と。
そう、素直に受け入れられた]