― 過去 ―
[ 数年前にシルバー・メリー号で起きた事故。
その事故の直後、ロー・シェンの身柄は
隔離と言う名目で軟禁されることになった。
…とはいえ、
"事故"の現場にそのまま居続けるわけにもいかず
船員居住区画の空き室を一室暫く拝借していたけれど
来る日も来る日も過ぎいくのは星の海で。
退屈が過ぎて石になってしまうのではないか、と
思い始めていた、そんな頃。
何処かへ行くのやら、
廊下を行き過ぎる姿に目を留めたのは
偶然だったかもしれないし、
刻々と身体を蝕む生き物が同族らしき存在を
察知した故だった…かもしれないが>>48
兎も角、通り過ぎそうになる人影に話しかけたのだ。 ]
……ね、君も船員なのかい
随分と若いように見えるけど
[ 自分も子供ならば相手も子供。
"おじさん"よりは余程気楽に声をかけられたし
何せ退屈だったから、話してくれる相手ならば
誰だって構いやしなかった。
行き先は何処なの?から始まって、
質問攻めにしたことを、…"今は"悪かったと思っている。* ]