人狼物語−薔薇の下国

335 【飛入歓迎・RP重視の推理村】夢現の村【守護獣と死神の恋と試練】


【流】流浪者 ディーター


[あれは、戦時下に入ってどのくらい経った時だったか。
旧市街の路地裏、小さな闇市の外れの輪のような人だかりの中心で
粉雪の舞う寒空の下、背の曲がった老人が
猫ほどの大きさの2体の人形を操り、寸劇を披露していた。

老人の指先の糸に繋がれた人形たちは、
けれど初めて見る幼い少年の目には、まるで生きているようで。
そのひと時だけは、日々の空腹も戦況下の不安も忘れて、
右手を弟と、左手を母親と繋いだまま、食い入るように眺め笑った

周囲の人の輪から、ひっきりなしに湧き起こる笑い声。
いつも昏い表情の母親も、珍しく声をあげて笑顔を見せた。

ただ“生きている”だけなら、体の糧があればいい。
だが“生きていく”ためには、心の糧も必要なのだと知った]

(333) 2015/05/09(Sat) 19:45:59 (Catbird713)

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