[ 森の切れ目にくると、馬に鞭をあて、一気に走りだした。 軽鎧が鳴り、黒衣がなびいた。 陽動として矢を放ち、そして距離を詰める。 途中で弓を捨て、鞍から剣を抜いた。 長い剣だ。一メートル半はあるだろう。 ][ 警告も名乗りもなく、テオドールはヤコブに切りかかった。 馬の振動を感じさせない、見事な剣さばきだった。 まるで馬と人と剣とがひとつの生命体であるような。 ]