― サロン ― 失礼します。[ギィひとりだった時とは異なり、声をかけてから扉を開き、まずはジークムントを通した。無理なく視界に入るよう、さりげなくシメオンの左側を過るのを避けてジークムントを誘導する。自分は、ここに集まった全員とすでに顔見知りである。ジークムントの紹介の間は壁際に控え、投げかけられた視線に会釈した。アプサラスはあの本を読み終わったろうか。談義するのが楽しみだ。**]