あたしはただ、その夢を達成するのが夢かなー。
あたしは王に忠誠心で仕えてるわけじゃないし、この国を良くしたいって願望は本当は無いのかもねー。
ただ、夢に向かって全力を振り絞れるから――その達成感だけの理由なんじゃないかって思ってる。
新王の夢って、初めて聞いた時には現実的なものと思えなくてさ、戴冠式の頃まではあたしも否定的だったわ。
戴冠式の二日前だったかな?
晩にゴタゴタあって……そのときからさ、いろんなものが見えてくるようになって。
あたしは新王のために働いてるつもりはないけど、新王の見てる夢を叶えるためにならいくらでも全力尽くせる。
その夢を叶えた国造りをするのが以前のあたしの夢、でも今はその先が見えてきてるかもねー。
[直接繋がっているのかは不明だが、遥か未来の時代にはセルベシアの夢は姿を残していない。
それは達成できなかったのか、できても続かなかったのかはわからない。
彼女が夢に届かなかったせいか――しかしそれはそのときの彼女の夢がそこまでしかなかったわけで、今の彼女の夢なら後世まで続かせることができるかもしれないし、少なくとも夢を見れば信じることができる]