ヴァイス、覚えてるよな!
[球体を下から見上げる位置まで飛んだ所で、白銀へと問う。
返るのは、もっちろーん! と言わんばかりの甲高い鳴き声]
……下から一撃、全力行くよ!
[叫びつつ、白銀の上に片膝ついて、大剣の刃を自身の右下へと流す。
位置は球体の真下。
丁度、上から降下してくる鎧竜と反対側の位置。
二対の紫水晶が同じ位置を見上げ、そして、青年が跳ぶ。
球体に近づいた所で振り上げられた剣が薄墨色の下部を大きく切り開く。
直後、白銀が光のブレスを叩きつけた。
聖なる光は切り裂かれた部分から球体の内側へと流れ込み、そして。
球体の中央にあるもの――漆黒の球体を照らして浮かび上がらせる。
それが打ち砕くべきものである、というのは言うまでもなく伝わるか。*]