安心しろ。俺がついているからな。[謝る必要はないと言う代わりに、穏やかな視線を向けた。人間だと完全に信用している訳ではないが、リゼットだけでなくペーターに縋られると無下にできない。単にまだ幼いというだけではない、二人の年齢が、自分が兵として故郷を離れたときと同じくらいなので、どうしても感情移入してしまう部分はあった。とはいえ、逆に自分を信用して欲しいとの思いもなかった。無私の精神などという崇高なものではない。ただ単に、自分が他人からどう思われようとも気にならないだけの話だったから。]