ー回想・レストランー
故郷、か……
[ふと、母星の海の景色と、水の音と共にあの頃の暮らしが思い出される。今は拠点を正反対の星に置き、懐かしむことしかできない、が。]
……失礼。この写真はもちろん自分が撮ったものではないから、詳しくはわからないんだ。
[トゥランタ、と聞いて、頭のどこかにあるような、そんな気がして、画像を見る。なお一層、頭のどこかが掻き立てられて、でも、はっきりと出てこず、知っているとは答えられない。20年前、星が消えたニュースで知ったのか、研究に出てきたのか、いや、もっと違うところで……]
うーん、何か引っかかりがあるんだが、出てこないというか。
[キリッとした寂寞色の瞳を見ると、出てこないもどかしさと、故郷を想う自分の気持ちと重なり合って、ものすごく重い気分になった。]