[己は真っ向から提示もせず、彼女を娶った身であるが、
愛妻に知られぬうちは口を噤む。
いつか、彼女に問い質されたのなら、
語って聞かせるだろうが、それは蜜なる夜の闇の中で良い。
坦々と提案を聞いていたが、不意に続けられた王の言葉と、>>302
彼女の呟きに反応して、五指が尾骶骨を柔く掻いた。>>314]
イングリッド、勇ましいのは構いませんが
貴女の価値を努々計り間違えてはなりません。
―――…共に、帰りましょう。
[そっと囁く声を彼女の耳元へ。
彼女の言葉を信じる男もまた、自身を安く勘定することはなく。*]