[なにを、と思わず変な声をたてつつ、目をぱちくりしておれば、続けて見せられる左指のリング。]
ふむ……なるほど。
その様なものが……。
[便利なものがあるものだと思いながら、先よりもほんの少し柔らかい表情を向け。]
わかりました。
とは言え、魔王軍の最大の目的はあなたの首。
ならば、代わりにそちらには弓兵の数を増やしましょう。
また……言わずとも大丈夫でしょうけども、何かあれば即座にベネディクト殿にご相談を。
それから……あなたの今回の最大の役目は、敵の目を惹くこと。
そこをお忘れなく。
そうして下されば、我々も事が運びやすくなりますので。
お頼みしました、王子。