[ 僅かに後ろ、ヤコブとグラナートの力強い風の嵐が、迫る触手を押し返し、周囲に風の渦を作る。 ]アーク!跳ぶよっ!![ 普通なら無理だろう。けれど、この力強い風の力を借りれば出来る。そう判断して、カレルは風竜の背を蹴った。 ]はああっ!![ 渦巻く風に身を任せ、体を捻りながら、再生しかけた触手に向かって、縦横に剣を揮う。 ]うわっっっと!![ さすがに最後はバランスを崩して、そのまま灰色の中に落ちそうになったところを、急反転してきた風竜の脚ががっちりと掴んで、引っ張り上げた。 ]