[身体能力の向上もあり、アヴェの頭の高さまで跳ぶのは、存外容易いもの。右の膝をモロに顔に食らったアヴェは、一瞬、バランスを崩した――かと思ったが。]っ!?[どうにか掻い潜って来た触手が手首に絡み、両手が太腿の付け根のあたり(オブラート)をがしりと掴む。だめだ、息が荒い。とても荒い。前のめりになって、アヴェの頭部を掴むことで転落は回避したが、アヴェの顔面に太腿を押し付けるような形になり。]