「――え?」
[隊長の誤算は、緑の点――ケリィの駆るG-04が全力ではなかった事だった。
G-04のコックピット内でクラウズを確認したケリィは、バーニヤをフルスロットに踏み込んだ。それまでの数倍に速度を上げたG-04は一瞬で隊長機に寄るや、腰から愛刀抜く。
刃が回転し、ビームにコーティングされた刀身全体が薄いピンク色を帯びる。その光を煌かせ、抜刀された。
それが隊長が見た最後だった。
次の瞬間、隊長の乗った『アレス』は爆散した]
「まず一機」
[隊長機を切り去ったのはG-04は、血を払うように刀を振るうと、近場にいる三機を一刀の元に切り捨てた。
爆発が同時に花咲く。
残ったパイロットがはっと意識を取り戻すまで、更に五機分の花が必要だった]