知ってる、けど……
[この話と何の関係があるのだろう?
浮かんだ疑問はすぐに解消された、が
──あまりに恐ろしい内容に息を呑み
それ以上相槌も打つことが出来ず、固まっていた。
真面目で、仕事人のような印象があったシモンはいつもと変わらない様子で、淡々と語る>>314
人間の業を感じずにはいられない話から
兄の名前が出て、移り変わる>>315>>317]
……つまり、君は自分を人工的に作られた占い師だと
そう、言うんだな。そして、兄さんを占っていた。そういうことなんだな。
[再び口を開いたのは語りが終わった後。
わたしの声からは怯えと、聞かされた内容を受けての真剣さが伝わるだろう。
誰かの口を通してでしかしらない戦場という場所
漠然としていた恐怖が形を持ったようだった
それ以上にこの人が可哀想で、悲しくて。
言葉を自分なりに選んだつもりなのは、この数年で抱いた親愛に、その内容はとても即興で思いつくものとは思えなかったからこそ。]