「へ…っ?」
[>>132突如言葉を投げかけられた騎士はぎょっとしたように若者を見る。
間の抜けた声を上げて思わず踏鞴を踏む足許を見れば、そこには確かに植物が芽吹いていた。
仲間に支えられ、何とか踏まずに済んだ騎士はそっと安堵の息をつく。]
――これは失礼した。
[女は馬上から謝罪する。
薬草の中には貴重なものもあるので、怒られるのは至極当然の事だと。
そう考えた故に、ツッコミがずれている事に気付く事はなく。
甲高い音が鳴った後、若者は誰かに呼ばれたらしい。
むくれた顔を見せた後に警告を再度口にし、身を翻してしまう。
去りゆく濃紅の紐で括った髪の後ろ姿を見送って]
…気を付けておいた方がよさそうだな。
色々と。
[誤解を生む事は避けねばと、そっと嘆息した。*]