― 飛行船 ―[ シメオンに指輪を手渡し、リリエンタール・バスタード・クレメンスの名を聞くと、男は愉しげに掠れた声で笑った ]は、は...[ 男はすでに、何一つ持たず、けれど全てを持っていた ]君達、は、息子の、ようだった、よ...[ いつもの、喰わせものの顔ではなく、ただ慈しむだけの笑みを浮かべ、声を震わせるシメオンの肩を掴む ]立たせて、くれ、シメオン...ナミュール、が見たい...[ それが、男の最期の願い* ]