―回想:精霊節まで・風組と―
[大魔法使いの息子のウェルシュカーディの事は伝え聞いていたが、顔を合わせた回数はアイリルートよりも少なく。
風の二人、否三人は相性がいいようで、共に鍛練を積む姿は何度も目にする事があっただろう。
少女とレオは得意とする分野が違うので、修練を積む上では彼らにもお世話になった。]
ウェルシュカーディ様、セイジ様、セイン様。
お疲れ様です。
――これ、差し入れです。
宜しかったらどうぞ。
[水筒に入れた、一族に伝わる回復効果のある飲み物を差し出し、少女は微笑む。
二度味見をしたので上手く出来ている筈だ。
時折そうした差し入れを修行で汗を流す他の勇者候補にもしていた。]