―回想:山岳地帯にて―
[>>130告げた言葉は若者にとって聞き慣れないものだったのか、或いは理解出来ないものだったのか。
目を瞬かせる様子からはそう受け取った。
この険しい山岳地帯ならば、侵略に脅かされる事も少ないだろう。
単一の部族で暮らすのであれば、騎士団も治安維持もないだろうから。
説明が必要だろうかと言葉を継ごうとして、風の民が話すのに口を噤む。
>>131踏み荒らされる謂れはないというのも納得出来る余地はある。
けれど巡視も意味もなく行っているわけではないのでやめる事は出来ない。
続く言葉は、里に近付き、部族に害を為せば報復する。
――そういう意味と捉えた。]
…肝に銘じておこう。
貴方方を害する心算はないが、我々にも譲れぬ分がある。
[忠告は受け取るが、歩みを止める事はない意思を示す。]