―第2エリア・レストラン―
[――アリーセに同行しなかったのには、理由があった。
彼女が店を出てから、数分――、
向かいの、彼女が座っていた席に近付き、視線を巡らせれば。
――ひとすじの金色を、運良く、見つけることができた。
彼女には、信じられると思うと伝えた。それに嘘はない。
だから、これは、信じたうえでの追実験のようなものなのだ。
科学者である彼は、信頼を与えた上でなお、事実として確認することを選んだ。
男は、金糸のような髪をつまみあげ、大切に仕舞い込む。
そうして――【この晩、アリーセが人狼かどうかを調べる】だろう]