― 部隊収集・クラタエグス砦 ―
[呼び出しがかかる頃には、術も問題なく使える程度に回復していた。
高く結った髪を、今日はバレッタを使って止めている。
色褪せ意匠にもどこか幼さがあるそれに、気付いた者はいたかどうか]
先行部隊として動くならば、むしろ地上からの奇襲にこそ注意するべきではないでしょうか?
敵が河の遡行を狙うのは常のこと。
砦の防衛部隊も、それを前提として守りを固めていると思いますが……。
[この霧で敵の動きがどう変わるかはわからないが、敵が危険な状況で船旅を強行するかという部分には疑問があった。
それは精霊師である兄弟子の実力を見誤った上での判断であったが]