― 回想 昼過ぎ・宿の食堂 ―
[みみ?という呟きが届いたかどうか>>297、フランツはこちらに笑みをよこす。
まあ、手持無沙汰な手が頭や髪に触れることなんて、自分にもよくあることだ。意味なんてないだろうと納得する。
冗談がてら懐事情を告げれば、テーブルに置かれたのはチョコレート。好物だ]
いいのか? ありがとう、好きなんだ!
お返しできるものが何もなくて済まないな。
[『食べられないもらい物』という言葉には、苦手なのかな、と思いつつ]
実はね、昨日も山道でチョコレート味のおやつ、貰ったんだ。>>28
ああ、もしかして君もここに来る途中誰かに行き会って、貰ったとか? 登山の友だものね。
[行きずりの誰かにもらったものであるなら、食べられないものを貰う可能性もあるだろうと、事情を知らない彼女はそんな勘違いをする]