― 司令室 ―
失礼します。
主計科少尉、ウェルシュ=フィッシャー、入ります。
[心持ち小声になってしまう。この部屋にいる人は本来自分などが気楽に声をかけていい立場の人ではないという意識もある。
入って周りを見回し、なるたけ手が空いていそうで年若く話しかけやすそうな人を探す]
ええと…艦内名簿を、閲覧できるように、レーデ中佐にお願いしていたのですが…
[考えてみれば、先程リヒャルトと話をしてからそこまで時間が経っている訳ではない。もしかしたらまだ話がついていないかもと心配になったが、あっさりとテーブルの上に無造作に置かれた名簿を示された]
…ありがとうございます。
[予想はしていたが。名簿の分厚さに表情が曇る。嘆いていても仕方ないので椅子をひとつ借りると、分厚い名簿の頁を開いた*]