[一頭の怒りが伝染したのか周りに鹿が集まり始まる。
追い払おうにもバスガイドの言葉>>#0が頭を過ぎり、怪我をさせて罰金なり支払わされるのも御免だと手も足も出ない。
じりじり後退していたが、段差に足を取られて尻もちをつく。
その間にも近寄って来た鹿が真っ直ぐ顔を近付け、]
ぶっ、やめ、こら……!!
[べろべろと顔を舐め回されくすぐったさに笑いが込み上げる。
髪を咥えて引っ張られ、煎餅を持っていた手にも舌が伸びて来て。
暫くして満足した鹿が退くか、誰かに助けて貰うまで笑い地獄に
苛まれ、ぐったりとした状態で座り込んでいた。
そのままホテルまで帰って不貞寝したい気分で一杯だったが、
春日大社の方に足を伸ばして適当に見回り。
園内の茶屋で大和名物膳を頼み、大河の万葉粥に入っていた
きのこを勝手に奪っては葛餅を押し付けて許して貰い。
ついでに引いたおみくじは*半吉*だった。**]