[途端に響き渡る音色は、伸びやかに広がる澄んだ高音。
今まで聞いた事もないような美しく華やかな響きに、セルウィンは目を見開く。
驚いている暇もなく、続く旋律を半ば体が勝手に奏で始めた]
操り人形の
[口から滑り落ちた言葉に遅れて、どこからともなく水が集い、宙に浮かぶ二つの水球を作り出す。
瞬きする間に、それらは人の形に伸びあがり、水で形作られた騎士と淑女のマリオネットを成した。
ヴァイオリンを朗々と歌わせたまま、縫いとめられたようにその場を動けないセルウィンに変わって、二体のマリオネットが旋律に乗って踊りだす。
右横から向かってきていた土人形を、騎士のマリオネットが回転しながら水の剣で横薙ぎに切り捨てた。
淑女のマリオネットは人形らしからぬ優雅なステップを踏み、最後の土人形へと躍り掛かる。
その指先から伸びるのは、長い長い水の爪。
土人形を愛撫するよう両腕を広げて抱きついた直後、背中から胸を刺し貫いた]